2018年05月03日

雇用保険手続の際には必ずマイナンバーの届出をお願いします

平成28年1月から利用が始まった個人番号(マイナンバー)は、雇用保険の届出、平成28年分の源泉徴収票への記載から始まり、平成30年3月5日からは日本年金機構の届出・申請についても利用が始まりました。
平成28年1月から雇用保険の資格取得届、資格喪失届、高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付の届出の際には、個人番号を記載することとなっていましたが、未記載であっても記載を求められることはありませんでした。しかし、平成30年5月からは、未記載の場合は、書類が返戻され再提出を求められます。

◆マイナンバーの記載が必要な届出等
@雇用保険被保険者資格取得届
A雇用保険被保険者資格喪失届
B高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
C育児休業給付支給申請(初回)
D介護休業給付支給申請
◆個人番号登録・変更届の添付が必要な届出等
(ハローワークにマイナンバーが未届の者に係る届出等である場合)
E雇用継続交流採用終了届
F雇用保険被保険者転勤届
G高年齢雇用継続給付支給申請(2回目以降)
H育児休業給付支給申請(2回目以降)
◆すでにハローワークにマイナンバーを届け出ている場合
個人番号記載欄がある届出(上記@〜D)については、届出の都度マイナンバーを記載することになっていますが、すでに他の届出等の際にマイナンバーを届け出ている場合には、各届出等の欄外に「マイナンバー届出済」と記載して、個人番号の記載を省略することが可能です。個人番号記載欄のない届出(上記E〜H)については、「マイナンバー届出済」の記載は不要ですが、未届けの場合は届出書類が返戻されてしまうので、個人番号登録・変更届を添付して提出します。

 安定所の窓口での対応を見てみると、今後は必ず記載をお願いしますと言っていましたが、書類を受理しないということはないようです。(平成30年5月1・2日の状況です)
 個人番号制度が始まって2年が過ぎました。まだまだ生活に密着しているわけではありませんが、税と社会保障について当初予定されていた利用が始まってきました。従業員の個人番号の収集・利用・保管についての安全管理措置については、再度、十分な確認が必要です。
posted by あさ at 15:22| 雇用保険

2018年04月11日

無期転換ルール

平成25年に「改正労働契約法」が施行され、同じ事業主の下で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた有期契約労働者は、本人の申出により無期雇用として働くことができるようになるいわゆる『無期転換ルール』ですが、今年、平成30年4月1日から無期転換できる権利を有する労働者が生じています。すでに、ルールを整備している会社も多くありますが、5年を超えないように、今年の3月31日までに雇い止めをされている事例も見受けられるようです。本来は不安定な雇用を解消するための制度ですが、それが裏目に出たということでしょうか。
 今は、会社の中に、正社員・契約社員・パート社員・嘱託社員・派遣社員・外国人技能実習生など様々な社員区分の人が働いている場合も多いと思います。今後、同一労働・同一賃金と言われている不合理な待遇差を解消するための規定の整備の施行などが予定されています。今一度、社員区分が違う場合の仕事や責任、勤務時間等の違い、賃金の差など確認して、同じ仕事・責任なのに不合理な待遇差がないか、不合理な待遇差がないなら、その差の理由を明確にして、我が社の正社員はこう、パート社員はこうと説明できるようにする必要があるのではないでしょうか。

 「無期転換ルール」「同一労働・同一賃金」など新聞紙上等ではタイトルが大きく出ますので、本当の内容がわからずに言葉に踊らされていませんか?中小零細企業では、パート社員といっても長く働いてくれている人ばかりではないですか?働く時間を短かくして家庭の事情で休みやすくしてあげているのではないですか?そんなパート社員を無期になるからと契約を打ち切る必要があるでしょうか。
 今一度、社員さんは、同じ会社で働く大切な仲間として、それぞれの事情に柔軟に対応した雇用契約内容を考えてくことが、経営者としてのあるべき姿ではないでしょうか。

posted by あさ at 11:33| 雇用契約

2018年03月02日

働き方改革関連法案

働き方改革関連法案は、裁量労働制について厚生労働省が示した不適切なデータにより、政府は、裁量労働制は分離して今国会での成立を目指すようです。
この法律案要綱の答申は、平成29年9月15日に発表されています。
   http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177380.html

◎長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
◯労働時間に関する制度の見直し
・時間外労働の上限 
  原則 月45時間・年360時間
 臨時的・特別な事情がある場合の限度
  年720時間・単月100時間未満(休日労働含)
  複数月平均80時間(休日労働含)
・月60時間を超える時間外労働の割増率(50%以上) 
  中小企業への猶予措置を廃止
・年次有給休暇の5日について
 毎年、時季を指定して与えなければならない
・企画業務型裁量労働制の対象業務への「課題解決型の開発提案業務」と「裁量的にPDCAを回す業務」の追加と、高度プロフェッショナル制度の創設等を行う

◎雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
◯不合理な待遇差を解消するための規定の整備
・パート労働者や有期雇用約労働者に関する正規労働者との不合理な待遇の禁止
 派遣労働者の派遣先の労働者との均等・均衡待遇等の確保を義務化
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
 パート労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化

この裁量労働制の拡大が問題になっていますが、まず、現在の裁量労働制を理解する必要があります。
2017年8月3日のブログに載せましたが、

(厚生労働省HP、東京労働局パンプレットから)
専門業務型裁量労働制
 業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要 がある業務として、法令等により定められた19業務の中から、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、労使協定であらかじめ定めた時間働いたものとみなす制度
 ・新商品、新技術の研究開発
 ・証券アナリスト
 ・公認会計士、弁護士     等
企画業務型裁量労働制 
 事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を 行う労働者を対象とし、その事業場に設置された労使委員会で決議された時間を労働したものとみなすことができる制度

 現在でも労使協定の締結・届出、労使委員会を設置し決議するなど導入にはかなりハードルが高い制度です。中小零細企業で導入するのはかなり難しいと思います。

 それよりも働き方改革関連法案の中では、月60時間を超える時間外労働の割増率が50%以上になること、有給休暇のうち年5日は、必ず指定して与えなければならないこと。この2点については、施行に向けて準備をしておかなければならないことだと思います。
 また、不合理な待遇差を解消するために規定の整備がいわゆる「同一労働同一賃金」のことです。非常にあいまいな内容なので、何が不合理な待遇差となるのか、今後の省令等で確認するとともに、不合理な待遇差と思われるものがないか、確認していく必要があります。
posted by あさ at 11:35| 労働時間

2018年02月12日

副業・兼業の促進

「副業・兼業の促進に関するガイドライン」およびそのQ&A、モデル就業規則が厚生労働省から公開されました。 経済産業省の委託調査から回答者の約3分の2が「副業を認めない会社(経営者)に魅力を感じない」としているそうなので、優秀な人材を呼び込む観点からも、副業・兼業に対する柔軟な姿勢が求められるのかもしれません。

ガイドライン 
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf
Q&A 
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000193040.pdf
モデル就業規則
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html

しかし、安易に認めることには注意が必要です。一番の問題は、労働時間の管理です。
労働基準法第38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されており、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含みます。(労働基準局長通達(昭和23年5月14日基発第769号))
 通算して1日8時間の法定労働時間を超えた場合、割増賃金の支払いは、法定労働時間を超えて労働者を労働させるに至った使用者です。
 例えば、A事業所で1日4時間働いて、自社であるB事業所で5時間働くと、通算すると9時間ですから、自社では8時間超えていなくても1時間分の割増賃金の支払いが必要です。
 副業・兼業を認める場合は、通算して1日8時間を超えない範囲で届出・許可制にする等ルール作りから始める必要があります。それと合わせて多様で優秀な人材を集めるための自社のアピールポイントは何か、何を改革しないといけないのかも考える必要があるのではないでしょうか。
posted by あさ at 18:34| 労働時間

2018年01月02日

平成30年 明けましておめでとうございます

 平成も30年となり、当時の小渕内閣官房長官が「平成」という書を掲げた姿をテレビで見たのは、随分前だったんだなと思い起こします。当時は、漫画の世界だった人工知能AIが私たちの生活や仕事にも影響を及ぼすようになってきました。
 厚生労働省の労働政策審議会でも「技術革新(AI等)の動向と労働への影響」をテーマに昨年7月から議論がスタートし、12月25日に第4回まで開催されています。厚生労働省を始めとし、いくつかの研究機関の先行研究では、代替可能性の高い(今後減少する)仕事の例として、ホワイトカラーやルーティン業務、代替可能性の低い(今後増加する)仕事の例として、他者との協調や他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業、人が直接対応することが質・価値の向上につながるサービスに係る仕事などが上げられてます。

 私たち社会保険労務士は、まさに『他者との協調や他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業』です。AIに取って変わられることのないよう、より質や価値が向上するよう、今年も「犬馬の労」を尽くすつもりです。

 本年もよろしくお願い申し上げます。
 
−犬馬の労−
主君や他人のために力を尽くして働くことをへりくだっていう語
posted by あさ at 23:56| ご挨拶