2020年04月26日

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例が拡充されています

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例が令和2年4月1日から6月30日まで拡充されています。
○助成率 中小企業4/5(←2/3)大企業2/3(←1/2)
1月24日以降解雇等をしていない場合は、中小企業9/10大企業3/4
○教育訓練を実施したときの加算額 中小企業2,400円大企業1,800円(←1,200円)
自宅でインターネット等を用いた教育訓練も対象
○売上額等が前年同月比より5%(←10%)以上低下
○支給限度日数1年間で100日に緊急対応期間(4/1〜6/30)は別枠で利用可能
○新規学卒採用者など、継続して雇用された期間が6か月未満の労働者も対象
○雇用保険被保険者でない労働者も対象「緊急雇用安定助成金」

全国社会保険労務士会連合会から「新型コロナウイルス感染症特例による雇用調整助成金」「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金」の動画解説がユーチューブで公開されています。

https://www.shakaihokenroumushi.jp/organization/tabid/713/Default.aspx

雇用調整助成金申請では、記載事項が約5割削減(73事項→38事項に削減)されていますが、なかなか大変に感じる事業主が多いようです。
大変な部分として、
○労働者名簿を作成していない。
○雇用契約書がなく、シフト勤務のため所定労働日、所定休日がはっきりしない。
など、労働者を雇用する上できちんと整備しておくべきことをしていなかったため書類を揃えるのが困難ということがあります。
中には雇用調整助成金がもらえたら従業員に補償をすると考えている事業主もいるかもしれませんが、まず従業員に休業手当を支払った上で、その補填として雇用調整助成金があるということを理解する必要があります。

今回のコロナウイルス感染症の拡大は、天災のように事業主には責任がないかもしれません。しかし、どんな危機があっても企業の存続と労働者の雇用の継続に努めることは経営者の責務と覚悟して、労働法などの法令を順守し、国などの補償も使えるだけ使って、この危機を乗り越えていきましょう。
posted by あさ at 19:07| 新型コロナウイルス

2020年03月02日

新型コロナウイルス対策 助成金拡大!

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例対象が拡大され、影響を受けるすべての事業主が対象となりました。
【特例措置の内容】
休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用。
@休業等計画届の事後提出を可能とする
通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要だが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとする。
A生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮
最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たす。
B最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とする
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象とならないが、その要件を撤廃。
C事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とする
令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認。(※12月分の生産指標は必要)
【新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由」とは】
以下のような経営環境の悪化については経済上の理由に当たり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となる。
(経済上の理由例)
・取引先が新型肺炎の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・国や自治体等からの市民活動の自粛要請の影響により、外出等が自粛され客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・風評被害により観光客の予約のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
【助成内容と受給できる金額】
休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成
・助成率 中小企業2/3大企業1/2
*対象労働者1人1日当たり8,330円が上限
(令和2年3月1日現在)
・教育訓練を実施したときの加算額1人1日当たり1,200円
・支給限度日数1年間で100日 (3年間で150日)
posted by あさ at 21:25| 新型コロナウイルス

2020年03月01日

新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスの感染が広がっています。令和2年2月27日に政府は全国すべての小中高校などに3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請しました。各自治体で対応は分かれているようですが、休校となると、小学校低学年では子どもを一人でおいておけないため会社を休まなければと考えている共働きの家庭も多いと思います。従業員の個別の状況に会社はできうる限りの支援をする必要もあるでしょう。

現在すでに新型コロナウイルスの影響を受けている企業に対する雇用調整助成金の特例が実施されています。
雇用調整助成金
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するもの
【特例の対象となる事業主】
日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主が対象
<「影響を受ける」事業主の例>
・中国人観光客の宿泊が無くなった旅館・ホテル
・中国からのツアーがキャンセルとなった観光バス会社等
・中国向けツアーの取扱いができなくなった旅行会社
【特例措置の内容】
休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用
@休業等計画届の事後提出を可能
通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要だが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年3月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとする。
A生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮
最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たす。
B最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象とならないが、その要件を撤廃。
C事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象
令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、
中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認。
【助成内容と受給できる金額】
休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成
・助成率  中小企業2/3 大企業1/2
・教育訓練を実施したときの加算額 1人1日当たり1,200円
・支給限度日数 1年間で100日 (3年間で150日)

中国関係の売上げはなくても仕入れ等に影響が出ている会社も多いでしょう。新型コロナウイルスによる影響が出る企業全般に雇用調整助成金を広げる案も出ているようです。

また、感染が疑われる従業員を会社命令で休ませる場合、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当すると考えられ、休業手当の支払いが必要となります。感染しており、都道府県知事が行う就業制限により休業する場合には「使用者の責に帰すべき事由の休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
感染を防ぐため、通勤ラッシュを避ける時差通勤など、労使で十分協議して対応していく必要があります。
厚生労働省から「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」が出ていますので、確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000598680.pdf

今後も社会生活、企業運営に大きな影響が出てくると思われますが、状況を確認しながら落ち着いて対策をしていきましょう。
posted by あさ at 14:21| 新型コロナウイルス

2020年02月03日

賃金請求権の時効2年から3年に

労働政策審議会労働条件分科会が令和元年12月27日に開催され、「賃金等請求権の消滅時効の在り方について」議論されました。
賃金請求権の消滅時効については、労働基準法で2年間(退職手当については5年間)と定められています。
民法では、一般債権に係る消滅時効については、@債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年間行使しないとき、またはA権利を行使することができる時(客観的起算点)から10 年間行使しないときに時効によって消滅するとされていますので、賃金請求権の消滅時効期間は、契約上の債権の消滅時効期間とのバランスも踏まえ5年とし、ただし、当分の間、3年間とすることで結論に達しました。
ただし、以下の消滅時効は現行のままです。
・退職手当 5年
・年次有給休暇請求権 2年
・労働災害補償請求権 2年
施行は令和2年4月1日となる予定です。施行から5年経過後の状況を勘案しつつ検討が行われますが、労働者代表委員から、労働基準法の労働者保護という趣旨を踏まえ、見直しにおいては、原則の5年とすべきとの意見があったようです。
<賃金等請求権の消滅時効の在り方について(報告)(案)より>

賃金請求権の時効で一番問題になるのが、未払い残業代請求です。今年の4月から中小企業でも残業の上限規制が始まります。上限を守るために会社がサービス残業を命じたり、たとえ労働者自らサービス残業を行った場合でも、未払い残業代は発生することになります。 また計算根拠も家族手当や通勤手当等以外の手当もきちんと含まれた単価になっているか確認が必要です。
賃金請求権の時効が2年から3年になると未払い残業代は1.5倍になりますので、「労務倒産」となることもあり得ます。労働時間の管理、賃金の計算はしっかりと行っていきましょう。
posted by あさ at 23:49| 賃金

2020年01月03日

令和2年 明けましておめでとうございます

新しい年号での初めての年明けです。
平成最後の年に始まった働き方改革関連法改正ですが、いよいよ今年4月から中小企業でも時間外労働の上限規制が開始します。

1.時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間
*これまでの厚生労働大臣告示と同じ時間ですが、法律に規定されました。
2.臨時的な特別な事情があって労使が特別条項で合意しても
・時間外労働の上限は、年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全て1月あたり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6回が限度 *今までと同じ
<注意>特別条項がなくても時間外労働と休日労働の上限は月100時間未満、2〜6ヶ月平均80時間以内

今年の4月1日以降に提出する36協定から上限規制が適用され、様式も変更になります。
従って、令和2年1月1日から始まる36協定の場合の上限規制は、令和3年1月1日から。令和2年4月1日から始まる36協定の場合は、そこから上限規制となります。

そのほかパート、高齢者、外国人労働者についての改正や方針が色々出ています。
○パート
・パートの厚生年金の適用拡大。現在対象となる企業規模従業員501人以上を2022年10月に101人以上、2024年10月に51人以上に引き下げ(案)
○高齢者
・60〜64歳の在職老齢年金の見直し。年金の一部が支給停止になる厚生年金と賃金の合計基準額を月28万円から月47万円に引き上げ(案)
・70歳までの就業機会確保を事業主の努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正(方針)
・60歳時から賃金が75%未満に低下した場合、雇用保険から支給されている高年齢雇用継続給付を段階的に廃止(方針)
○外国人労働者
・今年4月1日から健康保険法の被扶養者にも原則として国内居住が要件に
・今年3月1日から雇用保険の外国人雇用状況の届出に在留カード番号の記載が必要に

労働者から見た働くということ、企業から見た働かせるということを根本から問い直し、実際に変化していかなければならない1年になると思います。
変化の実現に向けて、当事務所も力を尽くしたいと思います。
今年もよろしくお願い申し上げます。 
posted by あさ at 17:45| ご挨拶