2023年04月23日

令和5年4月から出産育児一時金が増額されます

健康保険や国民健康保険の被保険者等が出産した(妊娠4ヶ月(85日)以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶)ときは、出産育児一時金が支給されます。
その支給額については、令和5年4月より、42万円から50万円に引き上げられました。

※妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は、支給額が48.8万円となります。
※産科医療補償制度とは、分娩に関連して重度脳性麻痺となった赤ちゃんが速やかに補償を受けられる制度で、分娩を取り扱う医療機関等が加入する制度です。
※資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上ある人が、資格喪失日から6ヵ月以内に出産したときは、出産育児一時金が支給されます。

出産育児一時金の直接支払制度を利用する場合が多く、医療機関等が被保険者等に代わって協会けんぽ等に出産育児一時金の申請を行い、協会けんぽから直接医療機関等へ支払われることから、医療機関等の窓口で高額な出産にかかった費用を支払う必要がありません。出産にかかった費用が出産育児一時金の額より少ない場合は、その差額が協会けんぽ等への申請によって被保険者等に支給されます。

また前述のように出産とは妊娠4ヶ月(85日)以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶も含まれますので、労働基準法の産後8週間の産後休業の対象となります。

※ただし産後6週間を経過した女性労働者が請求した場合において、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは可能。

事業主から報酬が受けられないときは、健康保険の出産手当金が支給されます。

正常な出産でない場合は労働者も精神的、肉体的につらい状態だと思います。妊娠4ヶ月以後は正常な出産と同じ制度が利用できますので、会社の担当者がよく理解し、労働者に適切な案内をする必要があります。
posted by あさ at 20:26| 社会保険

2023年03月04日

健康保険料率は令和5年3月、雇用保険料率は令和5年4月から変更します

令和5年3月から協会けんぽの保険料率が変わります。健康保険料率はそれぞれの都道府県の加入者1人あたりの医療費に基づいて算出しているため都道府県ごとに異なります。介護保険料率は全国同じです。
・愛知県 
10.01%(←9.93%)
・岐阜県  
9.80%(←9.82%)
・三重県  
9.81%(←9.91%)
・静岡県  
9.75%(←9.75%)
・介護保険料率 
1.82%(←1.64%)
*保険料は労使折半です。

また雇用保険料率については、令和4年度は4月と10月と2段階で上がりましたが、令和5年度も上がります。
・一般の事業        
1.55%(←1.35%)
労働者 0.6%(←0.5%)
事業主 0.95%(←0.85%)
・建設の事業        
1.85%(←1.65%)
労働者 0.7%(←0.6%)
事業主 1.15%(←1.05%)
・農林水産・清酒製造の事業
1.75%(←1.55%)
労働者 0.7%(←0.6%)
事業主 1.05%(←0.95%)

健康保険料は翌月に支払う給与から控除するのが原則のため4月に支給する給与から変更します。
雇用保険は4月確定分の給与から変更になります。
posted by あさ at 21:42| 社会保険

雇用調整助成金の特例措置(コロナ特例)の経過措置は、令和5年3月31日をもって終了

雇用調整助成金の特例措置(コロナ特例)の経過措置については、令和5年3月31日をもって終了することが厚生労働省から発表されました。
令和5年4月1日以降の休業等については支給要件を満たせば通常制度を利用することはできます。
通常制度の主な支給要件は以下のとおりですが、厚生労働省令の改正等が行われてから正式に決定します。
1.生産指標の確認は、直近3ヶ月と前年同期との比較となる
直近3ヶ月の生産指標(売上高等)が前年同期と比較して10%以上低下していること
2.雇用量要件を満たしている
雇用保険被保険者や受け入れている派遣労働者数の直近3ヶ月の平均値が、前年同期に比べ5%を超えかつ6名以上増加していないこと
3.最後の休業等実施日から1年経過している
最後の休業等実施日を含む判定基礎期間末日から1年経過していること
4.計画届の提出は不要
令和5年6月頃までの間、計画届けの提出を不要とする
5.残業相殺は行わない
令和5年6月頃までの間、残業相殺は行わない
6.短時間休業の要件を緩和
一部の労働者を対象とした短時間休業も助成対象とする

令和5年3月31までの期間について雇用調整助成金を1年以上受給していた場合、令和5年4月1以降は1年経過しないと再度対象となりませんので、令和5年3月31日をもって雇用調整助成金の支給は終了することになります。
posted by あさ at 21:37| 新型コロナウイルス

2023年02月06日

新型コロナウイルス感染症関連助成金には令和5年3月で終了が決定したものがあります

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(新型コロナウイルス感染症の影響により休業させられた労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった人に対し、支給するもの)「緊急雇用安定助成金」 (新型コロナウイルス感染症の影響により雇用保険加入対象とならない労働者に休業、教育訓練等を行った事業主に休業手当、賃金等の一部を助成するもの)が令和5年3月で終了します。

雇用保険加入対象の労働者を休業等させた場合の「雇用調整助成金」は、令和4年12月以降、通常制度となりますが、業況が厳しい事業主については、令和4年12月〜令和5年3月まで経過措置があります。
<令和4年11月まで>
助成率(中小企業)4/5(解雇等を行っていない場合9/10)中小企業
<令和4年12月〜令和5年1月>
助成率(中小企業)2/3*1(特に業況が厳しい事業主*2で解雇等を行っていない場合9/10) 
*1 売上高等が前年同期比(令和1年から4年までのいずれかの年の同期または過去1年のうち任意月との比較でも可)で1ヶ月10%以上減少
*2 売上高等が最近3ヶ月平均で前年、前々年または3年前同期比で30%以上減少
<令和5年2月〜3月>
助成率(中小企業)2/3*1(業況や解雇の有無を問わず)

令和4年12月以降に新たに休業等行った場合は、一部緩和措置のある通常制度となります。
1. 休業等の実施前に計画届の提出は不要
2. 残業相殺は行わない
3. 短時間休業は対象労働者全員一斉に実施する要件を緩和
などが緩和措置です。
通常の雇用調整助成金は、事前の計画届の提出が必要、残業相殺を行う、短時間休業は労働者全員一斉ということです。

令和5年4月以降の取扱いについては、新型コロナウイルス感染症の感染状況や雇用情勢を踏まえながら検討の上、改めてお知らせします、ということです。
政府は、新型コロナウイルス感染症を感染症法上の2類相当から令和5年5月8日以降、季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げると発表しました。もう雇用調整助成金の特例措置は終了すると考えて、雇用調整助成金なしで事業計画をしていく必要に迫られています。
posted by あさ at 20:26| 新型コロナウイルス

2023年01月01日

令和5年 明けまして おめでとうございます

新型コロナウイルス感染拡大も3年となり、これが日常のようになってきました。今年は行動制限がない年末年始となりましたので、コロナウイルス感染のことも気にしながらも、外出する機会が多くなっていると思います。
令和5年に施行される法改正は、
1.中小企業でも月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%に
大企業では、平成22年(2010年)4月1日から施行されていましたが、今年4月1日からすべての企業で月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%となります。人手不足から恒常的に時間外労働が多い企業では、4月以降、人件費が増大しますので、人を増やす、業務効率を上げる等対策が急務です。
2.賃金のデジタル払いが可能に
労働基準法第24条においては、『賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない』とされています。労働基準法施行規則第7条の2には、『労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について、労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する預金又は貯金への振込みの方法によることができる。』となっていますので、多くの企業では、金融機関への振込の方法を取っていると思います。令和4年11月28日に厚生労働省は、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への賃金支払い)を可能とする「労働基準法施行規則の一部を改正する省令」を公布しました。今年の4月1日に施行され、同日から資金移動業者の指定申請を受け付けます。企業で導入するには、労使協定を締結したうえで労働者から同意が必要です。まだ実務上どのようにすればいいのかはっきりしませんが、今後については注目が必要でしょう。
3.育児休業取得状況の公表の義務化
常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主は、今年4月1日以後の開始する事業年度から育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。公表するのは、「公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度」における取得率です。例えば、事業年度が4月1日〜3月31日の企業の場合、令和4年4月1日〜令和5年3月31日の状況を公表することになるため、令和4年4月からの取得状況の把握が必要となります。公表内容は、@男性の育児休業等の取得率A育児休業等と育児目的休暇の取得率。公表の方法は、インターネットの利用その他の適切な方法。

厚生労働省は以下のように言っています。
「時間外労働に対する割増賃金の支払は、通常の勤務時間とは異なる特別の労働に対する労働者への補償を行うとともに、使用者に対し経済的負担を課すことによって時間外労働を抑制することを目的とするものです。一方、少子高齢化が進行し労働力人口が減少する中で、子育て世代の男性を中心に、長時間にわたり労働する労働者の割合が高い水準で推移しており、労働者が健康を保持しながら労働以外の生活のための時間を確保して働くことができるよう労働環境を整備することが重要な課題となっています。」
 社会が大きく変化しています。経営者は、社会の変化に柔軟に対応しながら生産性も上げて企業運営をしていかなければなりません。
当事務所も共に力を尽くしたいと思います。

今年1年のみなさまの健康と幸福を心よりお祈り申し上げます。
posted by あさ at 15:17| ご挨拶