2018年11月28日

無意識の偏見

2018年11月7日の日本経済新聞の1面「春秋」に以下のような記事が載っていました。
”「女性は理系に向かない」「障害者には簡単な仕事を」。こうした思い込みは「アンコンシャス・バイアス」、訳して「無意識の偏見」と呼ばれる。高齢者を見る目にも、あてはまるだろう。仕事を任せるには体力や処理能力の低下が心配、と考える企業は多いからだ。”
 
平成27年3月の内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査結果」によると、

就労希望年齢(何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか)
・働けるうちはいつまでも−28.9%
・65歳くらいまで、70歳くらいまでがともに−16.6%
・仕事をしたいと思わない−10.6%

高齢者とは何歳以上か(一般的に何歳頃から高齢者だと思うか)
・70歳以上−29.1%
・75歳以上−27.9%
・80歳以上−18.4%
・年齢では判断できない−10.4%
・65歳以上−6.4%

70歳以上を高齢者と考えている割合が一番多く、65歳以上を高齢者と考えている人はかなり少ないことがわかります。働けるうちはいつまでも働きたいと思っている人が多い一方、仕事をしたいと思わない人も1割くらいいます。
 
人により意識も違いますし、仕事をする体力や処理能力にも個人差が大きいのでしょう。しかし、一律に60歳定年後は、給与を高年齢雇用継続給付金が支給される75%未満に下げて再雇用している企業も多いのではないでしょうか。また、子育て中の女性には、責任のある仕事は任せられないという「無意識の偏見」はないでしょうか。

人手不足の昨今、高齢者や女性雇用の重要性はますます大きくなってきます。高齢者の就業者数は過去最高となり、女性就労で言われる30〜40歳代の部分が顕著に落ち込む「M字カーブ」は緩やかになってきています。雇用は進んでいますが、個人差が大きい個々人にとって意欲を持って働き続けられる環境になっているでしょうか?働き方改革と合わせて高齢者や女性雇用の面でも企業の対応が求められます。
posted by あさ at 18:27| 女性・高齢者雇用