令和6年5月10日に雇用保険法の改正が成立しました。その中で、実務に一番影響があるのが、雇用保険の適用拡大だと思います。
○雇用保険被保険者の要件
週所定労働時間 20時間以上 → 10時間以上
令和10年10月1日
例えば、パートタイマーで1日5時間週4日勤務していた場合、雇用保険加入対象だったのが、1日5時間週2日勤務で雇用保険加入対象になりますので、多くのパートタイマーが対象になると思われます。
自己都合で退職した場合、現在は、離職の日以前2年間に、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ないと基本手当(失業手当)の対象になりません(*)が、改正後は、賃金の支払の基礎となった日数が6日以上ある月が12ヶ月以上あると、基本手当(失業手当)の対象となります。
*11日(改正後は、6日)以上の月が12ヶ月ない場合は、賃金の支払の基礎となった労働時間数が80時間(改正後は、40時間)以上ある場合を1月とカウント。
ほとんど全てのパートタイマーが加入対象となる会社が多いと思いますので、今後発表される具体的な改正点について確認していきましょう。
○育児休業給付の保険料率の引き上げ
0.4%→0.5%
令和7年4月1日
現在の一般の事業の雇用保険料率は、労働者0.6%(うち育児休業給付の保険料率0.2%)、事業主0.95%(うち育児休業給付の保険料率0.2%) が、労働者0.65%(うち育児休業給付の保険料率0.25%)、事業主1.0%(うち育児休業給付の保険料率0.25%)となる見込みです。
来年度の雇用保険料率の変更に注意が必要です。
今回の改正の趣旨は、『多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築、「人への投資」の強化等のため、雇用保険の対象拡大、教育訓練やリ・スキリング支援の充実、育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずる。』 ことです。
令和6年10月からは、短時間労働者の健康保険・厚生年金の適用拡大も51人以上の企業となります。
今後ますます、多様な働き方対応した採用、労務管理が求められます。
2024年06月02日
パートへの雇用保険加入拡大
posted by あさ at 21:04| 雇用保険
2022年05月21日
令和4年度雇用保険料率変更の詳細とは
令和4年度の雇用保険料率は、年度途中の10月からも変更になります。
この雇用保険料率は、「失業等給付・育児休業給付」「雇用保険二事業」の2つの保険料率から成っていて、「失業等給付・育児休業給付」は労使折半で、「雇用保険二事業」 は事業主のみが負担します。
「雇用保険二事業」とは、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策に関して、@ 雇用安定事業 A 能力開発事業を行い、雇用安定事業の中で雇用調整助成金が事業主に支払われています。
「雇用保険二事業」は事業主の保険料のみを原資にしていて、国庫負担はありません(税金は投入されていない)。
しかし、新型コロナウイイルス感染症等の影響に対応するため、令和2・3年度の措置として、一般会計から、失業給付の積立金と雇用安定事業の費用に繰り入れることができるようになり、失業給付の積立金から、育児休業給付と雇用安定事業の経費が借り入れられるようになっていました。それにより休業手当を受け取っていない中小企業労働者へ直接給付したり、雇用保険の基本手当の給付日数を延長したりという措置が取られています。
雇用保険臨時特例法が終了した令和4年度は、4月からまず「雇用保険二事業」の保険料率が、3.5/1000(←3/1000)建設4.5/1000(←4/1000)となりますので、事業主だけが上がります。10月から「失業等給付・育児休業給付」の保険料率が、10/1000(←6/1000)建設、農林水産・清酒製造12/1000(←8/1000)労使折半ですので、労働者負担が5/1000(←3/1000)建設等6/1000(←4/1000)となります。
今回は、数字ばかりの話になりましたが、保険料率変更の背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく出ていることがわかります。
この雇用保険料率は、「失業等給付・育児休業給付」「雇用保険二事業」の2つの保険料率から成っていて、「失業等給付・育児休業給付」は労使折半で、「雇用保険二事業」 は事業主のみが負担します。
「雇用保険二事業」とは、失業の予防、雇用機会の増大、労働者の能力開発等に資する雇用対策に関して、@ 雇用安定事業 A 能力開発事業を行い、雇用安定事業の中で雇用調整助成金が事業主に支払われています。
「雇用保険二事業」は事業主の保険料のみを原資にしていて、国庫負担はありません(税金は投入されていない)。
しかし、新型コロナウイイルス感染症等の影響に対応するため、令和2・3年度の措置として、一般会計から、失業給付の積立金と雇用安定事業の費用に繰り入れることができるようになり、失業給付の積立金から、育児休業給付と雇用安定事業の経費が借り入れられるようになっていました。それにより休業手当を受け取っていない中小企業労働者へ直接給付したり、雇用保険の基本手当の給付日数を延長したりという措置が取られています。
雇用保険臨時特例法が終了した令和4年度は、4月からまず「雇用保険二事業」の保険料率が、3.5/1000(←3/1000)建設4.5/1000(←4/1000)となりますので、事業主だけが上がります。10月から「失業等給付・育児休業給付」の保険料率が、10/1000(←6/1000)建設、農林水産・清酒製造12/1000(←8/1000)労使折半ですので、労働者負担が5/1000(←3/1000)建設等6/1000(←4/1000)となります。
今回は、数字ばかりの話になりましたが、保険料率変更の背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく出ていることがわかります。

posted by あさ at 20:50| 雇用保険
2018年05月03日
雇用保険手続の際には必ずマイナンバーの届出をお願いします
平成28年1月から利用が始まった個人番号(マイナンバー)は、雇用保険の届出、平成28年分の源泉徴収票への記載から始まり、平成30年3月5日からは日本年金機構の届出・申請についても利用が始まりました。
平成28年1月から雇用保険の資格取得届、資格喪失届、高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付の届出の際には、個人番号を記載することとなっていましたが、未記載であっても記載を求められることはありませんでした。しかし、平成30年5月からは、未記載の場合は、書類が返戻され再提出を求められます。
◆マイナンバーの記載が必要な届出等
@雇用保険被保険者資格取得届
A雇用保険被保険者資格喪失届
B高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
C育児休業給付支給申請(初回)
D介護休業給付支給申請
◆個人番号登録・変更届の添付が必要な届出等
(ハローワークにマイナンバーが未届の者に係る届出等である場合)
E雇用継続交流採用終了届
F雇用保険被保険者転勤届
G高年齢雇用継続給付支給申請(2回目以降)
H育児休業給付支給申請(2回目以降)
◆すでにハローワークにマイナンバーを届け出ている場合
個人番号記載欄がある届出(上記@〜D)については、届出の都度マイナンバーを記載することになっていますが、すでに他の届出等の際にマイナンバーを届け出ている場合には、各届出等の欄外に「マイナンバー届出済」と記載して、個人番号の記載を省略することが可能です。個人番号記載欄のない届出(上記E〜H)については、「マイナンバー届出済」の記載は不要ですが、未届けの場合は届出書類が返戻されてしまうので、個人番号登録・変更届を添付して提出します。
安定所の窓口での対応を見てみると、今後は必ず記載をお願いしますと言っていましたが、書類を受理しないということはないようです。(平成30年5月1・2日の状況です)
個人番号制度が始まって2年が過ぎました。まだまだ生活に密着しているわけではありませんが、税と社会保障について当初予定されていた利用が始まってきました。従業員の個人番号の収集・利用・保管についての安全管理措置については、再度、十分な確認が必要です。
平成28年1月から雇用保険の資格取得届、資格喪失届、高年齢雇用継続給付・育児休業給付・介護休業給付の届出の際には、個人番号を記載することとなっていましたが、未記載であっても記載を求められることはありませんでした。しかし、平成30年5月からは、未記載の場合は、書類が返戻され再提出を求められます。
◆マイナンバーの記載が必要な届出等
@雇用保険被保険者資格取得届
A雇用保険被保険者資格喪失届
B高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
C育児休業給付支給申請(初回)
D介護休業給付支給申請
◆個人番号登録・変更届の添付が必要な届出等
(ハローワークにマイナンバーが未届の者に係る届出等である場合)
E雇用継続交流採用終了届
F雇用保険被保険者転勤届
G高年齢雇用継続給付支給申請(2回目以降)
H育児休業給付支給申請(2回目以降)
◆すでにハローワークにマイナンバーを届け出ている場合
個人番号記載欄がある届出(上記@〜D)については、届出の都度マイナンバーを記載することになっていますが、すでに他の届出等の際にマイナンバーを届け出ている場合には、各届出等の欄外に「マイナンバー届出済」と記載して、個人番号の記載を省略することが可能です。個人番号記載欄のない届出(上記E〜H)については、「マイナンバー届出済」の記載は不要ですが、未届けの場合は届出書類が返戻されてしまうので、個人番号登録・変更届を添付して提出します。
安定所の窓口での対応を見てみると、今後は必ず記載をお願いしますと言っていましたが、書類を受理しないということはないようです。(平成30年5月1・2日の状況です)
個人番号制度が始まって2年が過ぎました。まだまだ生活に密着しているわけではありませんが、税と社会保障について当初予定されていた利用が始まってきました。従業員の個人番号の収集・利用・保管についての安全管理措置については、再度、十分な確認が必要です。
posted by あさ at 15:22| 雇用保険