2022年11月03日

令和4年10月からの変更事項(パート社会保険適用拡大、雇用保険料率変更、最低賃金改定、アルコール検知器適用延期)

令和4年10月からの変更事項
●短時間労働者の社会保険適用拡大
従業員101人以上
@週所定労働時間20時間以上
A月額賃金8.8万円以上
B2カ月超雇用見込みがある
C学生ではない
●雇用保険料率変更
一般の事業−社員負担0.5%
建設の事業−社員負担0.6%(農林水産・清酒製造も同じ)
●最低賃金改定
愛知県986円(←955)
三重県933円(←902)
岐阜県910円(←880)
静岡県944円(←913)
●安全運転管理者による運転者の運転前後のアルコールチェックの義務化
一定台数(乗車定員が11人以上の自動車1台またはその他の自動車5台)以上の自動車の使用者は、事業所ごとに安全運転管理者の選任を行わなければならない。
<令和4年4月1日施行>
・運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより運転者の酒気帯びの有無を確認すること
・酒気帯びの有無について記録し、記録を1年間保存すること
<令和4年10月1日施行>
・運転者の酒気帯びの有無の確認をアルコール検知器を用いて行うこと
・アルコール検知器を常時有効に保持すること
⇒当分の間適用しない
 
社会保険の適用拡大はパート社員の理解を得ることが難しい面もあると思います。厚生労働者の社会保険適用拡大特設サイトには「パート・アルバイトのみなさまへ」「配偶者の扶養の範囲内でお勤めのみなさまへ」”あなたの年金・医療保険が変わる大切なお知らせです。”と9分半くらいの動画で説明しています。年金額・保険料シミュレーションも載っていますので、参考にしてみるといいでしょう。将来の年金額という未来のことはイメージしにくいかもしれませんが、健康保険にも加入しますので、例えば、コロナ陽性で会社を休み、賃金が支給されないとき、健康保険の傷病手当金の申請ができます。配偶者の健康保険の扶養に入っている人がパート勤務を休んでも傷病手当金の保障はありませんので、その点も安心です。パート社員には丁寧な説明が必要です。

雇用保険料率変更は、10月分給与を11月に支払う場合(例:10/末締・11/20支払)は、今月11月に支払う給与から料率を変更してください。(労働保険料申告も発生月ベースで申告している場合)

アルコールチェッカーによる検査の義務化については、品切れで手に入らなかった会社が多かったと思いますが、最近のアルコール検知器の供給状況等を踏まえ当面の間延期されました。しかし、目視等で確認し、記録を残すことは必要ですので、トラック運転者等ではない営業等の社員であっても自動車を使用する者については、飲酒運転根絶の取り組みは重要です。
posted by あさ at 20:56| ご挨拶

2022年01月02日

令和4年 明けましておめでとうございます

令和2年3年と新型コロナウイルス感染拡大に翻弄された2年間でした。少し落ち着いてきたところに、オミクロン株の感染も増えてきて、まだまだ安心はできませんが、少し活動は活発になってきたと感じます。
令和4年に施行される法改正では、4月から中小企業にもパワハラ防止法が義務化されます。経団連が昨年実施した「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果」によると、ハラスメント防止・対応の課題について、特に当てはまる上位3つとして、「コミュニケーション不足」(63.8%)、「世代間ギャップ、価値観の違い」(55.8%)、「ハラスメントへの理解不足(管理職)」(45.3%)が挙げられています。この結果からは、管理職・経営層が、社会の変化、働く人の意識の変化になかなか対応できていないことがわかります。
また、4月・10月には改正育児介護休業法が施行されます。4月からの妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認措置の義務付けは、妊娠・出産をする女性労働者だけでなく、配偶者が妊娠・出産をする男性労働者も含まれます。10月からは産後パパ育休が創設され、育児介護休業法の改正でも管理職・経営層が意識を変え、社内体制を見直すことが必要となります。
コロナ禍で社会が変化し、働く人の意識も変化してきました。法改正でも管理職・経営層が意識を変え、変化に対応しないと、働く人とのギャップがますます広がり、働きたいと思われない、選ばれない企業となってしまいます。今年の法改正を契機に、大きく意識を変え、社会から必要とされ存続し続ける企業となるよう、努めていきましょう。当事務所も共に力を尽くしたいと思います。

今年1年のみなさまの健康と幸福を心よりお祈り申し上げます。
posted by あさ at 19:32| ご挨拶

2021年01月01日

令和3年 明けましておめでとうございます

昨年の年明けにコロナウイルスに明け暮れた1年になるとは、全く想像できませんでした。
昨年の新年のご挨拶を遡ってみると、
「新しい年号での初めての年明けです。
平成最後の年に始まった働き方改革関連法改正ですが、いよいよ今年(*令和2年)4月から中小企業でも時間外労働の上限規制が開始します。
労働者から見た働くということ、企業から見た働かせるということを根本から問い直し、実際に変化していかなければならない1年になると思います。」

働き方改革を進めなければいけない矢先、新型コロナウイルスの感染が拡大してきて、令和2年3月の毎月勤労統計調査(令和2年5月8日厚生労働省発表)によると、所定外労働時間は10.1時間(7.4%減)となっていて、コロナウイルス感染拡大のために経済活動を縮小せざるを得ない状況により期せずして働き方改革が進むことになりました。
テレワークも進み、会社に来なければできないこと、在宅でもできること。自社の社員でないとできないこと、実はやらなくてもよかったことなど、昨年は色々考え直した1年だったと思います。
コロナ禍で社会が大きく変わる中、企業は自社の存在意義を改めて問い直したと思いますし、雇用を維持するという従業員に対する責任の重さもなお一層感じたと思います。
コロナの収束がなかなか見えませんが、その中でも社会から必要とされ存続し続けるために、今年は企業の、経営者の覚悟、踏ん張り、底力が本当に問われる1年となると思います。当事務所も共に力を尽くしたいと思います。

今年1年のみなさまの健康と幸福を心よりお祈り申し上げます。
posted by あさ at 20:49| ご挨拶

2020年01月03日

令和2年 明けましておめでとうございます

新しい年号での初めての年明けです。
平成最後の年に始まった働き方改革関連法改正ですが、いよいよ今年4月から中小企業でも時間外労働の上限規制が開始します。

1.時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間
*これまでの厚生労働大臣告示と同じ時間ですが、法律に規定されました。
2.臨時的な特別な事情があって労使が特別条項で合意しても
・時間外労働の上限は、年720時間以内
・時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計について「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全て1月あたり80時間以内
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6回が限度 *今までと同じ
<注意>特別条項がなくても時間外労働と休日労働の上限は月100時間未満、2〜6ヶ月平均80時間以内

今年の4月1日以降に提出する36協定から上限規制が適用され、様式も変更になります。
従って、令和2年1月1日から始まる36協定の場合の上限規制は、令和3年1月1日から。令和2年4月1日から始まる36協定の場合は、そこから上限規制となります。

そのほかパート、高齢者、外国人労働者についての改正や方針が色々出ています。
○パート
・パートの厚生年金の適用拡大。現在対象となる企業規模従業員501人以上を2022年10月に101人以上、2024年10月に51人以上に引き下げ(案)
○高齢者
・60〜64歳の在職老齢年金の見直し。年金の一部が支給停止になる厚生年金と賃金の合計基準額を月28万円から月47万円に引き上げ(案)
・70歳までの就業機会確保を事業主の努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正(方針)
・60歳時から賃金が75%未満に低下した場合、雇用保険から支給されている高年齢雇用継続給付を段階的に廃止(方針)
○外国人労働者
・今年4月1日から健康保険法の被扶養者にも原則として国内居住が要件に
・今年3月1日から雇用保険の外国人雇用状況の届出に在留カード番号の記載が必要に

労働者から見た働くということ、企業から見た働かせるということを根本から問い直し、実際に変化していかなければならない1年になると思います。
変化の実現に向けて、当事務所も力を尽くしたいと思います。
今年もよろしくお願い申し上げます。 
posted by あさ at 17:45| ご挨拶

2019年05月25日

令和元年−働き方改革元年−

平成から令和に改元され、新しい時代の幕開けです。新年を迎えるときと同様な新たな気持ちになっている方も多いのではないでしょうか。
今年度から施行が始まった働き方改革関連法は、戦後、労働三法(労働組合法1945年・労働関係調整法1946年・労働基準法1947年)が制定された以降、70年ぶりの大改革であるとも言われています。
特に、中小企業は多大な負担を感じると思いますが、法改正の背景を意識したことはあるでしょうか。

平成29年版厚生労働白書の概要版から法改正の背景を感じることができます。
◯少子高齢化という構造的課題に取り組むため、「ニッポン一億総活躍プラン」では、成長の果実で子育て支援や社会保障の基盤を強化し、それが経済を強くするという「成長と分配の好循環」メカニズムを提示。
◯成長という視点から社会保障を考えた場合、経済成長の主な支え手である現役世代が自身のキャリア形成や子どもへの教育投資などを十分に行えるように生活の安定を図ることや、あらゆる立場の人々の労働参加・生産性向上の促進といった観点も重要。

また、過去の厚生労働白書のサブタイトルからも現在に至る背景を感じることができます。
・平成29年
 社会保障と経済成長
・平成28年
 人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える
・平成27年
 人口減少社会を考える
 〜希望の実現と安心して暮らせる社会を目指して〜
・平成26年
 健康長寿社会の実現に向けて〜健康・予防元年〜
・平成25年
 若者の意識を探る

戦後の高度経済成長を支えた日本型雇用慣行(終身雇用・年功序列賃金・企業別組合)で、若者を安い賃金で雇用し、時間をかけ育て上げ、社員は、雇用の安定と退職金という安心から会社に忠誠を誓い、定年まで働き、ということは、もはやありません。
社員の一生の雇用安定を約束できない経済状況、若者の意識の変化、少子化による労働力不足、高齢化による社会保障費の増大などなど、現在は様々な問題・課題に直面しています。
働き方改革関連法で全ての問題が解決するわけではありませんが、法改正には、これらの背景があることも理解し、対応していく必要はあるのではないでしょうか。
posted by あさ at 18:26| ご挨拶