令和7年6月13日に年金制度改正法が成立しました。企業経営者に影響がある改正案をピックアップしてまとめると、
1.厚生年金保険・健康保険の適用拡大
・短時間労働者の適用要件のうち、賃金月額8.8万円(年収106万円相当)以上を撤廃(施行日未定)
→最低賃金が1,016円以上の地域では、週20時間働くと、すでに年収106万円を超えているため、全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて撤廃
・企業規模要件(50人超)を2027年10月から2035年10月までの間に段階的に撤廃
→2027年10月(35人超)、2029年10月(20人超)、2032年10月(10人超)、2035年10月(10人以下)
2.在職老齢年金制度の見直し
賃金月額と老齢厚生年金月額の合計が一定額を超えると老齢厚生年金が支給停止される基準額を50万円(2024年度価格)から62万円(2024年度価格)に引上げ(2026年4月施行)
3.厚生年金保険の標準報酬月額の上限の段階的引上げ
上限額65万円から75万円に段階的に引上げる
→2027年9月 68万円、2028年9月 71万円、2029年9月 75万円
厚生年金保険・健康保険の適用拡大に伴い、新たに加入対象となる短時間労働者の保険料を3年間、事業主が国の定める割合を追加負担して短時間労働者の負担を軽減できる特例的な措置も設けられました。事業主が追加負担した保険料は、全額支援されます。(2026年10月施行)
また、18歳未満の子のない20〜50代の配偶者の遺族年金の見直しも行われています。
在職老齢年金の支給停止の基準額や厚生年金保険の標準報酬の上限が引上げられますが、中小零細企業には、あまり対象者がいないと思われます。
中小零細企業にも多いパート労働者が、配偶者の扶養範囲内で働くという選択肢は狭められてきているようですが、国民年金第3号の制度は、現状のまま存続します。
今回の改正が、年金制度の抜本的な改正になっている印象はありません。持続可能な年金制度となる改正が望まれます。
2025年07月01日
年金制度改正法が成立しました
posted by あさ at 21:02| 年金