令和4年2月1日に総務省統計局から発表された労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約によると、
1.2021年平均の就業者数は6667万人と,前年に比べ9万人減少(2年連続の減少)
2.2021年平均の就業者のうち,前年に比べ最も減少した産業は「宿泊業,飲食サービス業」
3.2021年平均の正規の職員・従業員数は3565万人と,前年に比べ26万人増加(7年連続の増加)。 非正規の職員・従業員数は2064万人と26万人減少(2年連続の減少)
平均就業者数は2年連続で減少していますが、正規労働者は増加しているので、非正規労働者の減少が大きいことがわかります。最も就業者が減少した産業が「宿泊業、飲食サービス業」からもわかるように、コロナウイルス感染拡大が大きく影響していると思われます。
飲食店等では、パートやアルバイトの非正規労働者は、シフト制勤務とだけして、労働条件が明確でないことも多いようです。柔軟に働けるという利点もありますが、コロナウイルス感染拡大などの情勢の変化によって、シフトを大幅に減らしたり、雇い止めにしたりなどの雇用調整は非正規労働者から行われることが多く、労働紛争となることがあります。
労働条件は、必ず書面(労働者が希望すればメール等でも可)明示しなければいけません。
<必ず明示しなければならない事項>
・契約期間
・期間の定めがある契約を更新する場合の基準
・就業の場所、従事する業務
・始業・終業時刻、休憩、休日など
・賃金の決定方法、支払時期など
・退職(解雇の事由を含む)
・昇給
<定めをした場合に明示しなければならない事項>
・退職手当
・賞与など
・食費・作業用品などの負担
・安全衛生
・災害補償など
・表彰や制裁
・休職
個別の労働条件通知書のほかに就業規則での明示も書面での明示となります。
基本のシフトが明確でないと、コロナウイルス感染拡大の影響で休業させた場合、どの日が休業日なのかはっきりしません。
パート・アルバイトでも有給休暇は発生しますので、1日の所定労働時間が明確でないと、有給休暇を取得した場合、支払う賃金額がはっきりしません。
厚生労働省から、いわゆる「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項についてリーフレットが出ています。その中で、特にシフト制労働契約で留意すべき事項として、以下の点を上げています。
○始業・終業時刻
労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働条件通知書などに単に「シフトによる」と記載するだけでは不足であり、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な始業・終業時刻を記載した上で、労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表等を併せて労働者に交付する必要があります。
○休日
具体的な曜日等が確定していない場合でも、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明記する必要があります。
パート・アルバイトも正規労働者と同じく、会社の従業員です。非正規労働者の雇用管理も適切に行い、労働紛争を未然に防ぎ、非正規労働者も安心して働ける職場としましょう。
2022年02月20日
「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項
posted by あさ at 14:06| 雇用契約