2020年11月08日

令和3年1月日から子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになります。

令和3年1月日から子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるように育児・介護休業法が改正されます。
平成29年1月改正では、子の看護休暇・介護休暇は、半日単位で取得することができるようになっていました。令和3年1月改正では、半日単位が1時間単位となり、半日単位では除外することができた1日の所定労働時間4時間以下の労働者も含めて全ての労働者が取得可能となります。
時間単位で取得することが困難な業務がある場合は、労使協定を締結することにより、時間単位の休暇制度の対象からその業務に従事する労働者を除外することができます。厚生労働省が示した労働者の例としては、以下のように示されています。

<時間単位で介護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者の例>
イ:国際路線等に就航する航空機において従事する客室乗務員等の業務等であって、所定労働時間の途中まで又は途中から介護休暇を取得させることが困難な業務
ロ:長時間の移動を要する遠隔地で行う業務であって、時間単位の介護休暇を取得した後の勤務時間又は取得する前の勤務時間では処理することが困難な業務
ハ:流れ作業方式や交替制勤務による業務であって、時間単位で介護休暇を取得する者を勤務体制に組み込むことによって業務を遂行することが困難な業務

一般的な事務的業務や応援・代替で対応できるような業務で除外することはできないと思われます。
改正法では、始業からの1時間単位か終業までの1時間単位で労働者が希望する時間数で取得させることとなっていますが、法を上回る制度として「中抜け」ありの取得を認めるように配慮をお願いしますと言っていますので、認めるかどうか検討が必要です。

厚生労働省は、両立指標に関する指針(平成29年5月18日改正)の趣旨で、

「急速な少子化を招いている要因として、出産・子育てと働き方をめぐる問題が強く指摘されている。加えて、高齢化に伴う要介護者の増加等により、労働者にとって仕事と介護との両立が一層重要な課題となりつつある。このような状況の中で、働きながら子どもを産み育てやすい、また、介護との両立が可能な雇用環境を整備していくことは、少子化の流れを変える上でも、我が国の社会経済の活力を維持していく上でも、重要かつ喫緊の課題となっている。」

と言っています。

仕事と子育てとの両立支援、介護との両立支援は、これからの持続的な企業運営には不可欠ですので、法改正に対応することから始め、経営者自ら、また社員も両立支援実現への意識を持ち、取り組んでいくことが必要だと思います。


育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版]
(令和2年10月作成) 厚生労働省
第3条(子の看護休暇)
1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(日雇従業員を除く)は、負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話をするために、又は当該子に予防接種や健康診断を受けさせるために、就業規則第○条に規定する年次有給休暇とは別に、当該子が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、子の看護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。
2 子の看護休暇は、時間単位で始業時刻から連続又は終業時刻まで連続して取得することができる。
第4条(介護休暇)
1 要介護状態にある家族の介護その他の世話をする従業員(日雇従業員を除く)は、就業規則第○条に規定する年次有給休暇とは別に、対象家族が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、介護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。
2 介護休暇は、時間単位で始業時刻から連続又は終業時刻まで連続して取得することができる。

posted by あさ at 20:31| 仕事と子育ての両立

2020年10月30日

令和2年の最低賃金は1〜3円の引き上げにとどまる。

令和2年の地域別最低賃金が決定し、10月から改定されました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国で1〜3円の引き上げにとどまりました。
令和2年度の地域別最低賃金額改定の目安について、中央最低賃金審議会は、以下の通り答申を出しています。

【答申のポイント】
令和2年度地域別最低賃金額については、新型コロナウイルス感染症拡大による現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当。
地方最低賃金審議会において、上記見解を十分に参酌しつつ、地域の経済・雇用の実態を見極め、地域間格差の縮小を求める意見も勘案しつつ、適切な審議が行われることを希望。
来年度の審議においては、新型コロナウイルス感染症等による様々な影響を踏まえながら、経済の好循環継続の鍵となる賃上げに向け、日本経済全体の生産性の底上げや、取引関係の適正化など、賃上げしやすい環境整備に不断に取り組みつつ、最低賃金については更なる引上げを目指すことが社会的に求められていることも踏まえ、議論を行うことが適当。

1円以上の目安を示さなかったのは、中央最低賃金審議会で意見の一致をみるに至らなかった平成21年度以来でしたが、その年でも1円〜25円(全国加重平均10円)引き上げられています。
昨年は、全国加重平均額27円の引上げで、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額でしたので、今年も30円近く引き上げになると予想していましたが、思いもよらなかった経済状況によって現状維持となりました。
コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けている企業にとっては、少し安堵しているところかもしれません。最低賃金を下回っていないか確認することはもちろんですが、最低賃金以上であっても新規の人材募集の際は、賃金が1円でも高い会社に応募は流れますので、感染収束後にも備えて、賃金をどうするか検討する必要があります。

愛知県  927円(←926円)
岐阜県  852円(←851円)
三重県  874円(←873円)
東京都 1,013円(据え置き)
posted by あさ at 11:03| 賃金

2020年09月27日

令和2年6月30日までの休業の雇用調整助成金は9月30日までに申請を!

令和2年1月24日から6月30日までに賃金締切日のある休業等の雇用調整助成金等は、9月30日まで申請ができるようになっていますので、活用を検討している事業主は、早急に手続きを行う必要があります。

また、令和2年8月28日に厚生労働省は、雇用調整助成金の特例措置等についての延長を発表しました。

雇用調整助成金の特例措置等を延長します
9月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置、緊急雇用安定助成金、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「雇用調整助成金の特例措置等」という。)については、本年12月末まで延長します。
そのうえで、感染防止策と社会経済活動の両立が図られる中で、休業者数・失業者数が急増するなど雇用情勢が大きく悪化しない限り、雇用調整助成金の特例措置等は、段階的に縮減を行っていきます。


まだ詳細は発表されていませんが、延長されるのは、以下の措置などです。

雇用調整助成金の特例措置(緊急対応期間中)
特例措置により助成率及び上限額の引き上げを行っており、
1人1日15,000円を上限として、労働者へ支払う休業手当等のうち最大10/10が助成
(教育訓練を実施した場合は更に、教育訓練を受けた労働者一人につき日額最大2,400円が加算) 
★令和2年4月1日から9月30日までだった緊急対応期間が、12月末まで延長されます。

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
以下の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主に、賃金相当額の10/10(日額8,330円(4月1日以降に取得した休暇は15,000円)上限)
@新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校などに通う子ども
A新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子ども
★令和2年2月27日から9月30日までの間だったのが、12月末まで延長されます。

まだまだ新型コロナウイルスが収束しない中、事業運営を少しでも助けるものは使用して、事業の存続と従業員の雇用を守っていきましょう。
助成金の申請は、正しい労務管理がされていないと大変困難なことは多くの事業所が痛感したことだと思います。この機会に、労務管理も整えて、withコロナ、afterコロナに備えていきましょう。
posted by あさ at 18:32| 新型コロナウイルス

2020年08月06日

従業員が新型コロナウイルスに感染したら!濃厚接触者になったら?

新型コロナウイルスの感染が広がっています。緊急事態宣言の時より感染者が増え、感染は身近なものとなってきました。

会社は、新型コロナウイルスに関連して従業員を休ませた場合、「使用者の責に帰すべき事由による休業」として平均賃金の6割の休業手当の支払義務があるかどうかか気になることだと思います。
感染した従業員が、都道府県知事が行う就業制限により休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられます。
濃厚接触者となった従業員が、保健所の指示に従い、外出に制限があった場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますが、職務の継続が可能である場合に、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまります。
濃厚接触者の家族等であったら、健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにとされていますが、症状がない従業員を使用者が休ませる場合は、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまります。

休業期間中の賃金の取り扱いについては、どのようにするか十分検討し、従業員の健康と安全を守るためにも休みやすい環境を作ることが大切です。

厚生労働省から「新型コロナウイルスに関するQ&A」(企業の方向け)(一般の方向け)が出ていて、こんな時どうする?と思った時に役立つ内容となっています。
休業に関連したQ&Aを一部を抜粋します。

(一般の方向け)
症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について
問1 熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか。
A.発熱などのかぜ症状がある場合は、仕事や学校を休んでいただき、外出は控えてください。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。
新型コロナウイルス感染症の予防法
問2 家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、家庭でどんなことに注意すればよいでしょうか。
A.ご本人は外出を避けてください。ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察をし、不要不急の外出を避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などには行かないようにしてください。
問3 濃厚接触者とはどのような人でしょうか。濃厚接触者となった場合は、どんなことに注意すればよいでしょう。
A.濃厚接触者は、新型コロナウイルスに感染していることが確認された方と近距離で接触、或いは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。
濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、感染した方と接触した後14日間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。

(企業の方向け)
4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)
<休業させる場合の留意点>
問1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
A.新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、休業期間中の賃金の取り扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労使が協力して、労働者が安心し休むことができる体制を整えていただくようお願いします。
休業期間中の賃金の支払いの必要性の有無などについては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案するべきですが、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
<感染した方を休業させる場合>
問2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのようにすべきですか。
A.新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
なお、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。
<感染が疑われる方を休業させる場合>
問3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる方について、休業手当の支払いは必要ですか。
A.「帰国者・接触者相談センター」でのご相談の結果を踏まえても、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
<発熱などがある方の自主休業>
問4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
A.会社を休んでいただくよう呼びかけをさせていただいているところですが、新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。
一方、例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。
6 安全衛生
<就業禁止の措置>
問1 労働安全衛生法第68条に基づく病者の就業禁止の措置を講ずる必要はありますか。
A.2月1日付けで、新型コロナウイルス感染症が指定感染症として定められたことにより、労働者が新型コロナウイルスに感染していることが確認された場合は、感染症法に基づき、都道府県知事が該当する労働者に対して就業制限や入院の勧告等を行うことができることとなります。
使用者におかれましても、感染症法に基づき都道府県知事より入院の勧告を受けた労働者については、入院により就業できないことをご理解いただくとともに、都道府県知事により就業制限がかけられた労働者については、会社に就業させないようにしてください。
posted by あさ at 20:21| 新型コロナウイルス

2020年07月05日

新型コロナウイルス感染症の影響による社会保険料改定の特例

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定が日本年金機構から発表されました。
通常は基本給など固定的賃金が3ヶ月連続して変動し、2等級以上の差があった場合、4ヶ月目に標準報酬月額の改定を届け出ますが、新型コロナウイルス感染症の影響により休業し、著しく報酬が下がった場合、固定的賃金の変動がなくても、特例により下がった月の翌月から改定可能となりました。
@令和2年4月から7月までの間に急減した月がある
A固定的賃金の変動がなくても、急減月に支払われた報酬の総額が従前に比べて2等級以上下がった
B特例による改定を行うことについて、本人が書面により同意している
(標準報酬月額が下がると、傷病手当金、出産手当金及び年金の額にも影響しますので、そのことの同意を含みます。)
※特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
※被保険者期間が急減月を含めて3か月未満の場合は、特例改定による届出の対象とはなりません。
提出先は管轄の年金事務所で、通常のように事務センターではありませんので、注意が必要です。電子申請やCDによる申請もできず、書面のみとなります。
また、休業が回復した場合、休業回復した月から継続した3か月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合には、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、随時改定(月額変更届)の届出を行う必要があります。

新型コロナウイルス感染症の影響による様々な特例や新しい施策があります。最新の情報については、常に確認し、不明な場合は専門家にご相談ください。
posted by あさ at 18:59| 新型コロナウイルス