2020年07月05日

新型コロナウイルス感染症の影響による社会保険料改定の特例

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定が日本年金機構から発表されました。
通常は基本給など固定的賃金が3ヶ月連続して変動し、2等級以上の差があった場合、4ヶ月目に標準報酬月額の改定を届け出ますが、新型コロナウイルス感染症の影響により休業し、著しく報酬が下がった場合、固定的賃金の変動がなくても、特例により下がった月の翌月から改定可能となりました。
@令和2年4月から7月までの間に急減した月がある
A固定的賃金の変動がなくても、急減月に支払われた報酬の総額が従前に比べて2等級以上下がった
B特例による改定を行うことについて、本人が書面により同意している
(標準報酬月額が下がると、傷病手当金、出産手当金及び年金の額にも影響しますので、そのことの同意を含みます。)
※特例措置は、同一の被保険者について複数回申請を行うことはできません。
※被保険者期間が急減月を含めて3か月未満の場合は、特例改定による届出の対象とはなりません。
提出先は管轄の年金事務所で、通常のように事務センターではありませんので、注意が必要です。電子申請やCDによる申請もできず、書面のみとなります。
また、休業が回復した場合、休業回復した月から継続した3か月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合には、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、随時改定(月額変更届)の届出を行う必要があります。

新型コロナウイルス感染症の影響による様々な特例や新しい施策があります。最新の情報については、常に確認し、不明な場合は専門家にご相談ください。
posted by あさ at 18:59| 社会保険

2020年06月22日

雇用調整助成金上限15,000円に!

緊急事態宣言が全国で解除され、都道府県をまたぐ移動も解禁になりましたが、まだまだ企業運営には大きな影響が出ていると思います。
国の方では様々な措置をしています。
今年度の労働保険料年度更新については、毎年6月1日から7月10までが、令和2年8月31日までに延長されています。保険料の納付も8月31日までです。口座振替の場合は9月7日でしたが、10月13日に変更になっています。
また第二次補正予算案が令和2年6月12日、参院本会議で可決、成立しました。厚労省関連を一部を抜粋すると、

新型コロナウイルスとの長期戦が見込まれる中、国民のいのち、雇用、生活を守るため、第一次補正予算等で措置した対策と相まって、「感染拡大の抑え込み」と「社会経済活動の回復」の両立を目指すための対策を強化する。
3.雇用調整助成金の抜本的拡充をはじめとする生活支援
(1)雇用を守るための支援
● 雇用調整助成金の抜本的拡充【7,717億円】
・ 雇用調整助成金の日額上限を8,330円から15,000円に特例的に引き上げ、緊急対応期間を9月まで延長
● 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により休業する妊婦のための助成制度の創設【90億円】

雇用調整助成金については、企業から引き上げの声が大きかった上限額が15,000円に引き上げられ、緊急対応期間は令和2年4月1日から6月30日までだったのが、9月30日まで延長されました。
緊急対応期間の助成率は令和2年1月24日以降解雇等を行わず雇用維持を行う場合は、中小企業10/10、大企業3/4となります。

感染不安が大きい妊婦のために医師等の指導により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給(年次有給休暇で支払われる賃金相当額の6割以上)の休暇制度(年次有給休暇を除く)を設け、合計5日以上労働者に取得させた事業主に対して対象労働者1人当たり計5日以上20日未満で25万円助成されます。

雇用調整助成金について、従業員が概ね20人以下の会社や個人事業主を対象とした小規模事業主用の簡単になった申請様式と小規模事業主以外として出ている従来の申請様式と2種類の申請様式があります。従業員20人以下の会社は、どちらで提出しても構いませんが、昨年度の労働保険料確定保険料申告書の賃金総額で計算する従来の申請様式の方が小規模事業主用で計算するより助成額が高くなる場合があります。
支給申請は賃金締切日ごとに行いますが、1/24〜5/31までの申請期限は、特例により令和2年8月31日までです。

次々に色々な制度が発表されていますし、申請方法によって助成額に差がある例が出てきました。
常に最新情報を得て有効なものは利用して、この困難な状況を乗り切っていきましょう。
posted by あさ at 11:08| 助成金

2020年05月24日

雇用調整助成金の手続きを更に簡素化

売上げが減少した企業が従業員を解雇しないで休業手当を支給した場合にその一部を助成する「雇用調整助成金」は、労働局への相談は専用電話が繋がらないくらい殺到していますが、厚生労働省の発表によると令和2年5月21日時点で累計支給申請件数34,609件、累計支給決定件数17,392件となっていて、あまり活用が進んでいません。
そこで従業員が概ね20名以下の会社や個人事業主を対象として、更に手続きを簡素化した内容が令和2年5月19日に公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyouchouseijoseikin_20200410_forms.html
今までの申請マニュアルは簡易版でも22ページあったものがわずか6ページになり、以下のように5ステップでできるようにかなり簡略化されています。

1.まず、休業した実績を記入します。
2.助成率確認票でA〜Eのどの助成率に該当するかチェックします。
3.支給申請書に必要な事項を記入します。
4.支給要件確認申立書を記入します。
5.支給申請に必要な書類をそろえます。
おつかれさまでした!

簡略化されたとは言えやはり雇用契約書や賃金台帳、労働者名簿がきちんと整備されていない会社にとっては、なかなか難しいのかもしれません。
特に休業手当の計算や短時間勤務が該当するかどうかがわかりにくいようです。
休業手当100%支給であれば賃金台帳に通常の賃金と休業手当を分けて記載する必要はありませんが、支給申請の際の休業実績一覧表には休業手当の額を記載する必要があります。
計算するためには、1ヶ月の所定日数が何日なのか明確になっている必要があります。

短時間休業については、「短時間休業で雇用を維持しましょう」というリーフレットが令和2年5月20日に厚労省のHPに掲載され、
https://www.mhlw.go.jp/content/000632949.pdf
その中のQ&Aに
Q.個人単位で時間を分けての短時間休業は可能ですか。
A.小規模の事業所や、シフト制をとる事業所等では、個人単位での短時間休業も可能です。
とあります。これまでは、事業所に勤める全労働者が一斉に休業する必要がありましたが、個人ごとでも可能となりました。ただし、シフト表がきちんと作成されている必要があり、また1ヶ月の所定労働時間が何時間か明確でないと短時間休業の場合の休業手当の額が計算できません。

このように雇用契約の内容が明確でないと何か問題が起こった時に、対応が困難になります。今回を機会に労働局や社会保険労務士に相談しながら整えていき、雇用調整助成金を活用し、企業の存続と従業員の雇用の維持にできる限り努めていきましょう。



posted by あさ at 15:11| 助成金

2020年04月26日

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例が拡充されています

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例が令和2年4月1日から6月30日まで拡充されています。
○助成率 中小企業4/5(←2/3)大企業2/3(←1/2)
1月24日以降解雇等をしていない場合は、中小企業9/10大企業3/4
○教育訓練を実施したときの加算額 中小企業2,400円大企業1,800円(←1,200円)
自宅でインターネット等を用いた教育訓練も対象
○売上額等が前年同月比より5%(←10%)以上低下
○支給限度日数1年間で100日に緊急対応期間(4/1〜6/30)は別枠で利用可能
○新規学卒採用者など、継続して雇用された期間が6か月未満の労働者も対象
○雇用保険被保険者でない労働者も対象「緊急雇用安定助成金」

全国社会保険労務士会連合会から「新型コロナウイルス感染症特例による雇用調整助成金」「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金・支援金」の動画解説がユーチューブで公開されています。

https://www.shakaihokenroumushi.jp/organization/tabid/713/Default.aspx

雇用調整助成金申請では、記載事項が約5割削減(73事項→38事項に削減)されていますが、なかなか大変に感じる事業主が多いようです。
大変な部分として、
○労働者名簿を作成していない。
○雇用契約書がなく、シフト勤務のため所定労働日、所定休日がはっきりしない。
など、労働者を雇用する上できちんと整備しておくべきことをしていなかったため書類を揃えるのが困難ということがあります。
中には雇用調整助成金がもらえたら従業員に補償をすると考えている事業主もいるかもしれませんが、まず従業員に休業手当を支払った上で、その補填として雇用調整助成金があるということを理解する必要があります。

今回のコロナウイルス感染症の拡大は、天災のように事業主には責任がないかもしれません。しかし、どんな危機があっても企業の存続と労働者の雇用の継続に努めることは経営者の責務と覚悟して、労働法などの法令を順守し、国などの補償も使えるだけ使って、この危機を乗り越えていきましょう。
posted by あさ at 19:07| 助成金

2020年03月02日

新型コロナウイルス対策 助成金拡大!

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例対象が拡大され、影響を受けるすべての事業主が対象となりました。
【特例措置の内容】
休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用。
@休業等計画届の事後提出を可能とする
通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要だが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとする。
A生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮
最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たす。
B最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とする
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象とならないが、その要件を撤廃。
C事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とする
令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認。(※12月分の生産指標は必要)
【新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由」とは】
以下のような経営環境の悪化については経済上の理由に当たり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となる。
(経済上の理由例)
・取引先が新型肺炎の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・国や自治体等からの市民活動の自粛要請の影響により、外出等が自粛され客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・風評被害により観光客の予約のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
【助成内容と受給できる金額】
休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成
・助成率 中小企業2/3大企業1/2
*対象労働者1人1日当たり8,330円が上限
(令和2年3月1日現在)
・教育訓練を実施したときの加算額1人1日当たり1,200円
・支給限度日数1年間で100日 (3年間で150日)
posted by あさ at 21:25| 助成金